自転車のトラブル

ハワイに来るときに、自転車が必要だと思った。ちょうど、知り合いが貸してくれるという。新しい自転車を買うのももったいないし、また買ったとしても盗難を心配しなければいけないのでいやだなと思った。そこで、知り合いの自転車を借りることにした。ところが、この自転車はボロボロ。車輪が外れている、さびだらけ、タイヤも古くなっている、ブレーキもきかない、代物である。知り合いもさすがに気が引けたのか、タイヤの一つを新しく買い換えていたが。せっかく貸してくれると言い、タイヤまで買って付け替えたのに、いらないとも言えないので,借りることにした。
 まず、自転車を使えるようにしないといけない。大学の自転車クラブに持って行くと直してくれるというので、大雨の中ずぶ濡れになりながら,自転車を持って行った。そこでとりあえず、動くようにしてくれた。修理代は2ドルである。それから20ドルで錠前を買った。これで何とか、街にのっていくことが出来るようになった。ところがやはり、ブレーキのききが悪い。そうこうしているうちにパンクをしてしまった。今度は、街の自転車修理屋に持って行き、パンクを直してもらう。費用は10ドル。
 使っているうちに、またブレーキがきかなくなったり、空気圧がなくなったりして修理屋に持って行く。これはただで直してくれた。それでもまた、ブレーキがきかなくなり、今日また修理屋に持って行った。今度は費用が発生した。10ドルの修理代だ。新しく、ブレーキシューを取り付けてもらったからだ。請求書をよく見ると11ドルと書いてある。でもおじさんは、10ドルちょうだいと言った。
 どうも、貧乏な学生に見えたようだ。いつも金を払わないで、空気を入れに来たり、ブレーキを直させに来ている。工具を自分で買う金もないようだと同情してくれたのだろう。学生時代を思い出させてくれた1日である。