広州に出発前のドタバタ

 今回の中国行きは、まだ初日なのにいろいろなトラブルがあった。というよりも、前日からだ。出発前の夜、電話があった。

 一緒に出かける予定の学生からだ。「先生、パスポートが見つかりません。どうしたらよいでしょうか。」どうしたら良いかといわれても、パスポートが無いと出国することができない。「とにかく、慌てないで、ゆっくりとパスポートをどこにおいたのか、思い出して、探してごらんなさい。」というしかなかった。修士論文の最終まとめが忙しく、ゆっくり旅行の準備をしている暇がなかったからだ。前の日に、パスポートを探したが、どこにあるか見つからない。中国からの留学生で、彼女がいないと通訳も困る。

 結局、朝になってもパスポートは出てこず、結局私ひとりで出かけることになった。お土産を彼女に買ってもらったので、空港でそれを受け取り、10時の便に乗る。飛行機の席に着いて、これで広州に着くだろうと、ゆっくりと眠ることにした。11時なっても、飛行機は出発しない。

 何か、整備上の問題があったのかもしれない。機長からも何の説明もない。それほど気にしないで、今度はパソコンを開いて、仕事にかかる。12時になっても動かない。さすがに、乗客がざわざわし出した。アナウンスメントもないが、前のほうからドンドンおりていく。よくわからないままに、飛行機を降りたら、今度は税関を通って、外に出て行くので、預けた荷物をもって、外に出る。そこにも何も説明もない。

 4階でもう一度、チェックインをするという情報をもらい、4階に向かい、列に並ぶ、いっこうに列が進む気配もない。何人もの地上スタッフが客の対応をしているが、誰も待っている人に対して説明をしない。こんな時、日本人は従順である。いつまでも指示があるまでじっと待っている。いい加減にしろよと思ったが、ここは日本だし、あまり自分だけがクレイムを申し立てるのは良くないと思い、静かに待つことにした。

 13時である。少しは、聞いてもいいだろうと思い、いったいどういう風になっているのか、地上スタッフに聞いてみたが、全く要領を得ない返事しかしない。要するに、責任者がいないのだ、チェックイン担当の人は、いわれたことしかできないし、どうなっているかも知らされていない。アルバイトみたいなものだ。そのうちに、スタッフがいなくなり、並んだ客は取り残されている。夜10時半の便があるので、それに乗るというようなことを客の間の会話で少しわかってきた。それまでホテルで待機してもらうとかいう話になった。まあ、仕方がないかと、半分思いかけた。

 10時半に出発したら、つくのは深夜の2時か3時になる。そんな時間に迎えに来てもらえない。どうするか。これまで、日本人を見習っておとなしくしていたけれど、らちがあかない。別のカウンターにいって、ほかの便はないのか、と聞いたら、2時の便があるが、ほぼいっぱいだという。「ふざけるな。何の説明もなく何時間も待たせて!!!2時の便でいかないと仕事ができない。」と怒鳴りつけたら、そのスタッフは聞いてくるといって場所を離れたまま帰ってこない。別のスタッフを呼び、「何とかしろ。遊びに行くのと訳が違う。仕事の責任をあなたがとってくれるのか。そちらの落ち度で飛行機が動かないのだから、すぐ別の便を手配しろ」すると、まだいくつか席が空いていることがわかり、2時前に何とかチケットを発券してもらうことができた。今、飛行機の中で、ブログを書いている。

 おとなしい日本人たちはどうなったのだろうか。10時半まで待つつもりだろうか。海外ではこんなことはよくあることだが、日本でもこんな対応の悪いのは初めてだ。12年前にもガーナで飛行機がキャンセルになったときにも、8時間粘って次の便に乗ったことを思い出した。

 また、次の便に乗ったが、空港で1時間と待ったままだ。全くの説明もない。誰も文句も言わない。日本人は何で穏やかなのだろう。ぶちぎれてやろうとおもったが、おとなしくしていた。切れても、問題の解決にはならない。それでもやっと3時に出発した。到着は日本時間の8時。でも広州では7時で、迎えがきて後は順調。