ツールの話

新しいツールを手にして、便利にしようと思っても、必ずしもよい結果になるわけではないという話。
iPhoneを購入してから、いろいろなソフトをダウンロードして使っている。特に、出張の時などは、初めての場所でいろいろな場所の検索などをするので便利だと思った。
鉄道のツールで、駅・ロッキーというソフトをダウンロードした。普段、出かけるときはバスに乗ってそれからJRの駅から電車に乗る。バスの中で、ソフトを使い駅からの電車の発車時刻を知ることができる。画面ではカウントダウンの数字が出る。あと、4分で電車がくる。3分でこのバスが、駅に着くので、ちょっと走ればこの電車に間に合うかな。そんな具合に、つかう。すると、バス停からプラットフォームまで1分しかない。バスから降りたらひたすら走らないと間に合わない。
 今日もそんな場面だ。改札を抜けると、ホームに電車が入ってきたのが見えた。これはもっと走らないと間に合わない。慌てて、階段を駆け下りる。列車がホームに滑り込み、ドアが開いて客が電車から出てくる。早くしないと、乗り遅れる。階段を上がってくる客をかき分けて、ドアが閉まる前に電車の中に駆け込むことができた。あのソフトのおかげで、この電車にのることができた。すると後ろから何か怒鳴り声が聞こえる。何だろう。その怒鳴り声の主は、電車のドアの前で、『危ないじゃないか。気をつけろ!』と私に向かって叫ぶではないか。
 そうか、階段を駆け下り、人にぶつかりそうになって電車に滑り込んだ私に対して怒鳴っているのだ。本当に申し訳ない。自分のことに夢中になり、周りが見えなかった。おかげで、周りの人に危ない思いをさせてしまった。
 別に一本後の電車でも問題はないのに。カウントダウンの表示が出ると、妙に焦ってしまう自分がいた。反省、反省。
 便利になっても、結局よい結果には終わらない。
もっとツールを賢く使わないと。