ATM

 アメリカの大学は、キャンパスの中にだいたい何でもそろっている。床屋、カフェテリア、ドミトリー、図書館、本屋などである。だいたいのことは大学内で用が足りる。ただ、日本と比べると治安が悪いので、夜遅くうろうろ出来ない。
 それでもいろいろなイベントが午後6時頃から始まる。もちろん10時前には終わるのでそれまでに帰宅すればそれほど問題はない。この日は、環境に関するイベントに参加しようと,研究室に5時過ぎまでいて仕事をした。6時近くになると人通りも少なくなる。イベントに参加する前に、キャンパス内のATMでお金をおろそうと、キャッシュカードを入れて,暗証番号を入れた。ところが何の反応もない。あれ!!!手当たり次第にボタンを押してみたが、何の反応もない。困った。このまま、カードが出なかったらどうしよう。もう6時なので、銀行も開いていない。緊急連絡のボタンもついていない。カードをおいてこのままかえるわけにも行かない。そ、そうこうしているうちに,後ろに待っている女の子がいる。振り向いて「カードを入れたんだけど、出てこない。どうしたらいいの?」と相談をした。彼女は、"It's scared."といいながら何カ所かボタンを押した。するとカードが出てくるではないか。あーーーー!カードが出てきた。お金は引き出せなかったけれど、カードを取り戻すことが出来た。その後、女子学生はお金を引き出した。たぶん、5分くらい待っていたのかな。でもそういうときは,長く感じるから1分くらいだったかもしれない。