またまた、鍵事件

なんでこう鍵でトラブルが続くのだろうか。4日間の東京での活動を終え、帰宅した。これで家でゆっくり休めると思って、鍵を差し込む。普段は、二つある鍵のうち、ひとつだけかけるのだけれど、長期に家を空けるときは、二つの鍵をかけるようにしている。
やっと家に帰り、鍵を差し込み、あけようとするが、なぜかドアが開かない。どうしたのだろう。二つの鍵穴を順番にさして、鍵をがちゃがちゃするが、なぜか開かない。数年前に、鍵をどぶに落としたことが頭に横切った。いや、鍵は今ここにある。鍵があれば、ドアは絶対に開くはずである。
トラウマのごとく浮かび上がった過去の記憶をぬぐい去らねばと、鍵をガチャガチャ何度もまわしている。額から汗が流れるが、どうも開かない。困った。また、ホテルに行かないと行けないのか。なんてこった。
そうだ、暗いから分かりにくいのだ。となりにいき、「すみません。懐中電灯かしていただけますか。」どうも隣は、パーティをしているようだ。隣の主人が出てきてくれた。
 懐中電灯を借りて、気を取り直して、鍵あけに専念する。でも、開かない。15分ほど、格闘した。このドアの向こうには、私の部屋がある。でも、入れない。この気持ちは何なんだ。学校に行って泊まろうか。ホテルに行こうか。いっそのこと、車で寝てしまおう。
 でも、待てよ。どうも焦っているようだ。冷静になろう。鍵を右に回せば開くと思って、右に回していたけれど、左に回せば開くかもしれない。左に回してみた。
 あ、あ、あ、あいた。ドアが開くと、いつもの部屋が僕を待っていてくれた。家に入れるということはこんなに幸せなことなのだ。今日は、ゆっくり寝よう。